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横山秀夫■ ルパンの消息

20060810rupanyokoyama

時計の針は午後六時を回っていた。日高鮎美の行方は依然として知れず、捜査に特筆

すべき進展はなかった。

なにしろ十五年前の事件である。きのう今日死体が見つかった事件のようにポンポンいい情報が入ってくるはずもなかった。

街が変わり、人も、その生き方までもすべてが変わってしまっていた。幾重にもベンキを塗り重ねられた街は、たつた今この時だけの色を見せ、古い層のことはおくびにも出さない。

過去というものが大体において辛苦の積み重ねだからであろうか、削っても削っても十五年前の色がなんであったか、人も、街も、語りたがらないのだ。

溝呂木は、巨大都市東京を原けずり回って手掛かりを集める部下たちを思った。

■ ルパンの消息|横山秀夫|光文社|200505月|新書|ISBN4334076106

★★★

《キャッチ・コピー》

著者がデビュー前に書いた“幻の処女作”が、15年の時を経て、ついにベールを脱いだ。第9回サントリーミステリー大賞佳作。

memo

連日の猛暑。銷夏法はミステリに限る。事件が学園ものっぽいので投げ出そうとしたが、後半ぐいぐいと。

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