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清水哲男■ 増殖する俳句歳時記――日本語の豊かさを日々発見する

20060904zousyokusimizu

んの字に膝抱く秋の女かな   小沢信男

たしかに「んの字」の形をしている。「女」は、少女に近い年齢だろう。まだあどけなさを残した「女」が物思いにふけつている様子だから、その姿に「秋」を感じるのだ。

「んの字」そのものが、相対的に見ると、独立した(成熟した)言語としての働きを持たないので、なおさらである。

爽やかさと寂しさが同居しているような、秋にぴったりの風情。からっとして、ちょっぴり切ない風が、読者に吹いてくる。

佐藤春夫の詩の一節に「泣きぬれた秋の女を/時雨だとわたしは思ふ」(表記不正確) があり、同じ「秋の女」でも、こちらには成人した女性を感じさせられる。時雨のように、この「女」はしめっぽい。そして、色っぽい。

ついでに、私がそらんじている「女」の句に、島将五の「晩涼やチャックで開く女の背」がある。

■ 増殖する俳句歳時記――日本語の豊かさを日々発見する|清水哲男|ナナコーポレートコミュニケーション|200208月|ISBN4901491075

★★★★

《キャッチ・コピー》

インターネットで120万超ヒットの人気サイトが、一冊の本になった。通称“ゾーハイ”は、俳句とインターネットに親しむ人には、すでに常識だ。6年にわたって大好評だった名物解説を、厳選して一日一句、1年(366句)にまとめた。

memo

増殖する俳句歳時記

http://zouhai.com/

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