ダニエル・カラハン / 岡村 二郎:訳■ 自分らしく死ぬ――延命治療がゆがめるもの
長年の友人が、私の夏休みの間に彼の牧場に来ないかと言ってくれた。その時、私には分からなかったのだが、彼の目的はほぼ確実に、直接に知らせようとはしないものの、 長年の付き合いの絆を確かめ、別れを告げるためであった。〔略〕
数ヶ月して彼は死んだ。彼の死は、私がこれまで研究を続け、そしてこの本で書こうとしてきたような死であった。
彼の奥様が後でくれた手紙によると、「臨終となったあの日、彼は私たちに死の時が来たと言い、私たちに生を引き延ばすことなく逝かせるのだと要求しました。
私たちは、彼の旅立ちに心痛みながら、愛と祝福を捧げ、彼は安らかに逝きました。死に際しても、生前同様に美しく、高潔で、気品がありました」。
あれだけの痛みの中で、あんな風に死ねる人がいるのだろうか?自身に問いかけないといけなかった。もっと一般的な問いが、心に浮かんでくる。
その疑問は、これまで私が見聞してきた安らかな死を遂げた人々に共通の特質は何だったろう?である。
――「第7章 見守ることと待つこと」
■ 自分らしく死ぬ―延命治療がゆがめるもの|ダニエル・カラハン / 岡村 二郎:訳|ぎょうせい |2006年10月|ISBN: 4324080410
★★★★
《キャッチ・コピー》
医学が進歩し「不健康でも長生きできる」社会で、医療と死と人間の関わり方はどうあるべきか。安らかに死を迎えるための書。
《memo》
訳者あとがきに「今年古希を迎えた」とある。訳者・岡村二郎氏は、わが職場の先輩。古希にしてこの訳業、そのエネルギーに感嘆。中味も古希にふさわしく。
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