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佐藤まさあき■「劇画の星」をめざして

20060914gekiganosatou

やがて山森は劇画を描くことをやめて京都の西陣の染物師となる。元美津はしばらく休筆の後、さいとうプロの原作者として復活する。桜井は自称、日本一ちいさな出版社の「東考社」を設立し、水木しげると組んで売れない本を四苦八苦しながらも出版を続けていく。石川はその後、肺結核になり、療養中にさいとうから恩を受け、その後はさいとうプロの陰の力となって『ゴルゴー13』などの作品の制作に力を貸す。本来律儀な性格の人なのである。

ともあれ、こうして劇画工房は消滅した。〔略〕

つげ義春なんかは「劇画がヒタヒタと大阪からやってきた」というような名言を吐いているし、手塚先生の『ボクはマンガ家』という著書にも、先生のアシスタントが貸本屋で本を借りてきて全員が読みだして、「面白いか?」と聞くと、「面白い」と答えるので、先生はノイローゼになり、階段から足を踏みはずして転げ落ちる、というようなことも書かれてあった。

たった八カ月であったが、衝撃度はそれを上まわるくらい劇画工房は暴れまわったのだ。

「劇画の星」をめざして――誰も書かなかった〈劇画内幕史〉|佐藤まさあき|文藝春秋|199610月|ISBN4163523200

★★★★

《キャッチ・コピー》

波瀾万丈、有為転変、まさに劇画並み。赤裸々に綴る自伝的劇画界の50年。

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