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垣根涼介 ■ ワイルド・ソウル(上・下)

20060512kakine0102

踊り舞うシランダ

人生を輪舞するサンバのように

廻っていた いまも廻るよ

シランダを踊る娘の

レース飾りのスカート

その輪の中に〔略〕

家族以外誰もいない入植地の小さな世界。その世界を司る父と母は、子供にとって全能の神に等しい。その神に蛆虫が湧き、腐ってゆく。それでも子供は神の元から離れられない。

こいつも自分の過去にケリをつけるために、今ここにいる――。

いまでも踊りつづける

黒人女の背中の上に

いまでも泣く子をなぐさめているよ〔略〕

老婆の人生のさまざまな曲がり角に

輪は廻り、転がってゆくためのもの

転がってゆく人生

輪をごらん 輪をごらん

輪は廻り、転がってゆくためのもの

転がってゆく人生

シラングの輪をごらん〔略〕

ついに計画は動き始めた。もう後戻りはできない。だが、喜びなどどこにもない。あるのは苦い現実感だけだ。かすかなため息が洩れる。本当にこれでよかったのか?

『ワイルド・ソウル(上・下)』垣根涼介|幻冬舎|200604月|文庫|ISBN43444076604344407679

★★★★

1961年、衛藤一家は希望を胸にアマゾンへ渡った。しかし、彼らがその大地に降り立った時、夢にまで見た楽園はどこにもなかった。戦後最大級の愚政“棄民政策”。その40数年後、3人の男が東京にいた。

 史上初の3賞受賞を果たし、各紙誌の絶賛を浴びた不朽の名作。

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