« 町田康/いしいしんじ■ 人生を救え! | トップページ | 深田祐介/古森義久■ アジア再考―外務省には任せられない!  »

町田康■ 耳そぎ饅頭

20060619matidamimi

ところが、である。運転手は自分に驚くべきことを言った、すなわち彼は、このあたりにうまいものはない、と断言したのである。〔略〕

地元の運転手が言っている以上、ほんとうにうまいものはないのだろう。ということは、と、なにを食っても同じということであって、ということは、どこでなにを食うのか迷う必要もなく、また、たまたま入った店がまずかったとしてもまったく後悔する必要はない、なんとなれば、なにを食ってもまずいのだから、

ということで、考えてみれば実に爽快なアドバイスであり、自分は向後、旅人に、このあたりでなにかうまいものはないか、と訊かれた場合、さきの運転手のごとくに、このあたりにうまいものはない、と断言しよう、と心に決めた。

そのことが、結句、餓鬼道地獄に陥った人民の迷妄を断ち、安穏な食事に人民大衆を導くと知ったからである。

■『耳そぎ饅頭』町田康|マガジンハウス|200003月|ISBN4838712022

★★

《キャッチ・コピー》

偏屈にだけはなりたくない、と頑張って生きてきた。気づくと、もはやどうにもならぬ偏屈の谷底にいた。

今は、世の中の周縁部から舞い戻ったこの谷底で、偏屈もまた楽し、と呟いて薄く微笑んでいる。偏屈パンクの魂の記録。

memo

町田ぶし。独特の文体になじめないまま、読了。

|

« 町田康/いしいしんじ■ 人生を救え! | トップページ | 深田祐介/古森義久■ アジア再考―外務省には任せられない!  »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 町田康■ 耳そぎ饅頭:

« 町田康/いしいしんじ■ 人生を救え! | トップページ | 深田祐介/古森義久■ アジア再考―外務省には任せられない!  »