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高島俊男■ 漢字語源の筋ちがい――お言葉ですが…7

20060617takashima

わたしはよくしゃべってゲラゲラ笑う子どもであったようで、しばしば母親に「男は

片頬三年!」と叱責された。

「男は片頬でかすかに笑うことが三年に一度あればよい」を短縮して「片頬三年」と言うのである。

「男のおしゃべりはみっともない!」もしょっちゅうであった。〔略〕

ではいったいどんな顔をしていればいいのかといえば、ボーツとした顔をしていろと

わが母は言うのである。男というものは、うれしい時もつらい時も、同じ茫洋たる顔を

しているものだ、というのであった。

母はまたよく「男の目は糸を引け、女の目は鈴を張れ」と言った。これは美男美女の条件であるが、糸のような目なら喜んでいるのか怒っているのかわからず、それが男らしいから美男の条件にもなる、ということであったのだろう。

■漢字語源の筋ちがい――お言葉ですが…7高島俊男|文藝春秋|200606月|文庫|ISBN4167598086

★★★

《キャッチ・コピー》

漢字語源の俗説をついた連作をはじめ、名前にちなむ愉快な話、井伏鱒二が『唐詩選』から『臼挽歌』をへて名作『厄除け詩集』を作った経緯など、面白エッセイが満載。

memo

「お言葉ですが」7冊目。井伏鱒二「唐詩選」訳の追跡は圧巻。

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